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フィラリア予防の勘違い!/2005年4月13日号
- 蚊が運んでくる恐ろしい病気、「フィラリア」の予防が、そろそろ始まります。
フィラリアについて、正しい知識を学びましょう!
- フィラリアに感染しているワンの血液には、ミクロフィラリアという子虫が流れています。 蚊が子虫ごと血液を吸います→蚊の体の中で、子虫が脱皮します(脱皮しないと次のワンに感染できません)→蚊がワンの血を吸う時に、 脱皮した子虫がワンの体に入ります→心臓にたどり着きながら成長し、成虫になります→雄と雌の虫がいれば、 子虫(ミクロフィラリア)が血液の中にウヨウヨ出てきます。これを繰り返して、世界中に広がってきた病気です。
- さて、月に1回の薬は、どうやってフィラリアを予防しているんでしょうか?
- 「1回薬を飲むと、1ヶ月間ずーっと効いてる」とか、 「蚊に刺されないようにバリアみたいな効果がある」と思っている方がいらっしゃいますが、それは間違いです!
- 実は、フィラリアの予防薬は、蚊が血を吸った時に入る子虫を1ヶ月の間ためておいて、一気に殺してしまう薬なんです!
- つまり、心臓に入る前の子虫を殺すことで、予防できるというお薬です。
- 蚊が出たからと言って、すぐに飲ませる必要はありません。1ヶ月後からで十分です。 しかし、蚊がいなくなっても1ヶ月後までは飲ませなければなりません。
- HDU(Heartworm Developing Unit)をもとにした昨年の湘南地方のフィラリア感染開始日は5月11日、感染終了日は10月27日でした。 ですので、予防薬を飲ませ始めなければならないのは6月初旬からで、最後に薬を飲ませるのは、11月末から12月初旬ということになります。 つまり、最低7ヶ月間は投薬が必要なことになります。 心配な方は、5月から飲ませ始めた方がよいですが、必ず11月末、あるいは12月初旬まで飲ませて下さい。
- 一年中フィラリア予防をしているワンちゃんを除いて、シーズン前には必ず血液検査をして、かかっていないかどうか、 検査する必要があります。「去年ちゃんと飲んだから」と言って、検査をしないと、「もしも、ワンちゃんがどこかで錠剤を吐き出していたら・・・」とか、「本当は10月までしか飲ませなかった・・・」などの場合、フィラリアにかかっている可能性があります。もしも、かかっているワンちゃんに予防薬を飲ませると、取り返しのつかないことになります。最悪の場合、ワンちゃんが死んでしまうことがあります。ですから、誰がどう言おうと、「シーズン前には必ず検査を受ける」ことが、「安心してフィラリア予防薬を飲ませられる」ことにつながります。
- ワンちゃん用の蚊取り線香などがありますが、フィラリア予防にはほとんど効果がありません。
マーブル動物病院院長
難波 信一