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犬の胃拡張・捻転症候群(GDV)

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犬の胃拡張・捻転症候群(GDV)/2005年10月26日号

  • ちまたではいまだに”犬の鼓腸症(こちょうしょう)*”と呼ばれていることもありますが、 正しくは(急性の)胃拡張・捻転症候群(いかくちょう・いねんてんしょうこうぐん)(GDV)と言う病気です。この病気は胃が拡張して、その後捻転することで発症するということ以外には不明な点が多く、何が原因になっているのか、正確には分かっていません。

■ことばの説明:鼓腸症と胃拡張・捻転症候群(GDV)とは?

  • 古くから使われてきた「鼓腸症(こちょうしょう)」という病名ですが、実は2つのまったく異なる病気がいずれも「鼓腸症」と呼ばれてきたことが、明らかになっています。
  • 一つは大腸の中の細菌・微生物の働きで、穀物などが発酵してガス、つまりおならが発生する状態です。 もう一つは、犬の胃が拡張して捻転を起こし、胃の出入り口が閉まるのと同時に、血液が胃に行かなくなって壊死してしまう状態です。こうなると、最終的にショック状態になります。犬はウシと違って、胃の中に細菌や微生物が棲んでいません。人間と同じく、胃には胃酸があるので、ほとんどの細菌や微生物が棲めないのです。ですから、「胃拡張・捻転」を一括りにして「鼓腸症(こちょうしょう)」と言うのは、犬においては適切な使い方ではありません。専門家の間ではキチンと「胃拡張・捻転(GDV)」と呼ばれるようになってきています。犬で「鼓腸症」という場合は、腸の中で穀物が発酵してオナラ(放屁:ほうひ)やお腹のギュルギュル音(腹鳴)がする状態に使います。大豆などは腸の中の微生物によって発酵を受けやすい発酵性食品のうちの一つですが、犬の胃の中で発酵することはありません。
  • 実際、GDVになってしまった犬の胃の中に溜まったガス(気体)を分析してみると、 飲み込んだ(嚥下した)空気、専門用語で言うと“呑気(どんき)”が「げっぷ」にならなかったり、腸内に移動しなかったため、そのまま胃の中に溜まって胃が拡張したと言う結果が出ています。胃の何らかのトラブルにより胃の筋肉の痙攣や胃の空虚化時間(食べた食物が胃から小腸に出て行くまでの時間)が正常より長くなっていることが要因になっていると考えられます。

■食事やペットフードの原材料とGDVの関係

  • 食事内容やペットフードの原材料・栄養素が胃拡張・捻転の危険因子となるという証明はされていません。
  • 以前は、ドライフードを与える、カルシウムなどのサプリメントをドッグフードに添加する、 穀物すなわち大豆や大豆ミール、大豆の油粕、コーン(トウモロコシ)を使用しているフードを与えるなどをすると、GDVになりやすいと疑われたことがありました。ところが、研究が進むにつれて、この考えが間違っていると指摘されるようになりました。大型犬の飼主さんは特に穀物を含んだドライフードを与えていることが多いので、これが原因ではないのかと誤って考えられてきたのです。さらに最近の疫学研究から、食物要因はGDVとは無関係であることが証明されています。実際、食事の組成をいろいろ変えてGDVが起こるかどうか実験されたことがありますが、食事の組成とGDVの発生には関係が認められませんでした。

■ GDVの原因は遺伝的素因や環境要因が深く関係します

  • GDVは、最近の調査結果から考えると、複数の危険因子が絡んで発症すると思われます。 まず、GDVを発症しやすい犬種として、秋田犬、ブラッドハウンド、コリー、グレートデン、アイリッシュセッター、アイリッシュウルフハウンド、ニューファンドランド、ロットワイラー、セントバーナード、スタンダード・プードル、ワイマラナーなど、食道が長く、胸の深い大型犬や超大型犬が挙げられます。つまり、このような犬種ではGDVになる危険性が高いと言えます。
  • GDVになりやすい因子を整理すると・・・
  • ・ 歳を取る(加齢)
  • ・ 親、子、兄弟姉妹(第一度近親)の中にGDVになった犬がいる
  • ・ 摂食速度が速い(早食い)
  • ・ 食事が1日1回だけ
  • ・ 食器(給餌皿)を高いところに置いて食べている
  • ・ 空気を飲み込みやすい (呑気・空気嚥下)
  • などです。これらの因子が重なると、GDVになる危険性が増します。 その他、犬の有するもともとの素因、性格、気質(神経質)も影響しているのではないかと言われています。 これらのことから言えることは、大型・超大型犬に食事を与えるには、細心の注意が必要だと言うことです。たとえば、GDVになる危険性が高い犬種には、競争食いをなくし、落ち着いた環境で1日に2〜3回に分けて食事を与えることが良い方法だと考えられます。また、食後に運動するとGDVになりやすいので、運動は必ず食前に行います。
  • ちょっと難しかったかも知れませんね。
  • でも、言葉一つが誤解を生むことになりますので、言葉は大切に使いましょう!!

マーブル動物病院院長
難波 信一

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