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神奈川県獣医師会学術症例発表会

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神奈川県獣医師会学術症例発表会 /2011年05月22日号

3月10日に開催された神奈川県獣医師会学術症例発表会にマーブル動物医療セン ターから5題の発表を行いました。そして、別府雅彦獣医師が発表した「前・後 十字靭帯断裂に内側半月板損傷を併発した猫の一例」が最優秀賞を受賞しました。

★最優秀賞受賞★

前・後十字靭帯断裂に内側半月板損傷を併発した猫の一例

  • ○別府雅彦1)高橋洋介1)井坂光宏1)桑原岳1)荒瀬由梨恵1)松原奈美1)難波信一1)
    1)マーブル動物医療センター・神奈川県藤沢市

I.はじめに

前十字靱帯断裂は外傷や靭帯の変性等により生じ、犬では比較的多く認められる関節疾患だが、 猫での報告は少ない。猫の前十字靱帯断裂症に対する治療に関し、これまで幾つかの報告はあるが、 保存療法と外科的治療を比較したものはなく、手術の適応時期については議論の余地がある。 また、膝関節に対する術前検査では、超音波検査、Computed tomography (CT)検査や関節鏡等の非侵襲的・低侵襲的な膝関節の評価法も論じられているが、 猫の膝関節の評価は身体検査や、レントゲン撮影、術中所見、関節鏡によるところが大きい。 今回、我々は前十字靭帯断裂に後十字靭帯断裂および内側半月板損傷を併発した猫に対して、 外科的治療を施行し、良好な経過を得たため報告する。

II.症例

雑種猫、去勢雄、年齢不詳。来院時体重5kg。飼い主外出後、左後肢跛行を呈したため来院した。 心音正常、股脈正常、後肢冷感はなかったが、後肢触診にて左膝関節の腫脹を認めた。 膝関節の外反・内反ストレス試験では異常は認められなかったが、脛骨の前方引き出し・後方引き出し徴候が顕著に認められた。 また、脛骨圧迫試験にて陽性を示した。レントゲン検査では関節炎像等の異常所見は認められなかった。 以上の所見により内側半月板損傷ならびに前・後十字靭帯断裂症と診断した。 また、術前に麻酔下CT検査による膝関節の評価を試みたが、膝関節内の詳細な画像を得られず、損傷評価には至らなかった。

III.処置および経過

初診時、飼い主が手術を希望されなかったため、ロバート・ジョーンズ包帯法による保存療法を1週間実施したが、 跛行が改善しないため外科的治療を行った。断裂した前・後十字靭帯を除去後、内側半月板損傷に対し内側半月板の部分切除を実施し、 Over-the-top法による前十字靭帯再建術、ならびに縫合糸(0号エチボンド)による膝蓋靭帯と脛骨内側近位の連結術を行った。 術後、1週間程度は脛骨の後方への不安定性が軽度に認められたが、 その後膝関節は安定し、患肢の挙上もなく負重しており、良好な経過をしている。

IV.考察

猫の前・後十字靭帯断裂に対する保存療法では平均4.8週間で臨床症状の改善を認めるも約80%に膝関節の不安定性が残る事が分かっており、 断裂靭帯の石灰化等の二次的な障害がおこる事が示唆されている。手術により膝関節の安定化を図り、 また断裂靭帯の除去や損傷した半月板を切除することでこのような問題は起こりにくくなる。 このことから猫の前・後十字靭帯断裂に対しては、早期に外科的治療を行った方が長期的な治療成績は良くなると考えられる。 また、今回、CT検査による膝関節の非侵襲的な損傷評価を試みたが確定診断には至らなかった。 超音波検査、関節鏡やCT検査による十字靭帯断裂、半月板損傷の評価は犬での報告があるが、猫では関節鏡の報告しかない。 このため、猫の膝関節に対する超音波検査やCT検査等の非侵襲的な検査を確立する必要があると考えられた。

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