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神奈川県獣医師会学術症例発表会

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神奈川県獣医師会学術症例発表会 /2011年05月22日号

3月10日に開催された神奈川県獣医師会学術症例発表会にマーブル動物医療セン ターから5題の発表を行いました。そして、別府雅彦獣医師が発表した「前・後 十字靭帯断裂に内側半月板損傷を併発した猫の一例」が最優秀賞を受賞しました。

延髄梗塞が認められた髄膜腫の猫の一例

  • ○桑原岳1) 井坂光宏1) 荒瀬由梨恵1) 高橋洋介1) 別府雅彦1) 松原奈美1) 難波信一1)
    1)マーブル動物医療センター・神奈川県藤沢市

I.はじめに

ヒトでは、無症候性の脳梗塞病変が頭部MRI検査でしばしば見つかるものの、 その臨床的意義については様々な見解がみられる。 小動物臨床領域で偶発的にみつかる脳梗塞病変も、臨床症状と合致するか否かが、治療選択の場面で非常に重要である。 今回、MRI検査で頭蓋内腫瘍と延髄腹外側の梗塞病変がみつかり、 開頭による腫瘍摘出術適応の是非について検討が必要になった猫の1症例について、経過と概要を報告する。

II.症例

症例は13歳齢の日本猫、体重3.3 kgであった。1年半前からの腰のふらつき、左半身の知覚過敏、1日1回起こる痙攣発作を主訴に来院。 歩様は運動失調を呈しており、左後肢の皮膚は自咬により一部潰瘍化していた。 血液検査・単純レントゲン検査で異常所見は認められなかった。 二次診療施設でのMRI検査で、右側頭葉にT1・T2等信号、Gd-DTPAによる均一な造影増強効果、dural tail signを示す頭蓋内腫瘤性病変と延髄腹外側にT1等信号、T2・FLAIR高信号、造影増強効果がみられない小病巣が認められた。 画像所見から、側頭葉の腫瘤は髄膜腫およびリンパ腫、延髄病変は亜急性から慢性の梗塞および出血痕が考えられた。 臨床症状との関連性について、痙攣発作は大脳病変由来、運動失調および左半身の知覚過敏は大脳病変と延髄病変による複合症状、 もしくはいずれか一方の病変由来であると考えられた。

III.処置

プレドニゾロン・ガバペンチンによる内科療法を開始したが、 第27病日には左前肢・後肢の固有知覚低下が進行していたため、脳腫瘍の外科的摘出を実施した。 側頭骨アプローチによる開頭術を行い、硬膜に癒着し脳実質と境界明瞭な直径9 mmの腫瘤性病変を摘出した。病理組織学的検査の結果は髄膜腫であった。 術後、プレドニゾロン・フェノバルビタールの投薬により経過観察とした。第69病日、臨床症状の再発を認めたため、内服薬にイソソルビドを追加した。第253病日までの間に数回痙攣発作がみられたが、以降、痙攣発作はみられなくなった。 左半身の知覚過敏も良化した。第399病日のCT検査時には、脳腫瘍の再発および神経学的な異常所見は認められなかった。

IV.考察

結果的に、脳腫瘍摘出により臨床症状が改善したため、延髄梗塞が責任病変ではなかったことが判明した。 術前に臨床症状と脳梗塞病変の因果関係を評価するためにも、経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位図測定や拡散強調撮像法によるMRI撮影の臨床適用が期待される。しかしながら、画像診断所見と注意深い神経学的検査、臨床兆候の照合が、現時点で唯一の責任病変確定法であると考えられた。

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